
さて、本日は雨漏りの調査・修繕のお話。
少し古い話ですが、『合同会社空き家再生ドットコム』設立のきっかけになった話をご紹介させていただきます。
2020年6月の勝浦移住に際して購入した空き家は、和室のひと部屋の雨漏りがひどく、雨のたびに浸水してボロボロになった天井は半分以上が崩れ落ち、その下の畳もカビがひどく、それを支える床板も今にも突き抜けそうな状況でした。
まずは屋根の修理が急務でしたがDIYで修繕できるとはとても思えず専門業者に見積りを依頼したら、およそ畳にして15畳ほどの面積の瓦の全面葺き替えで120万円の見積りでした。下の写真で黄色で囲んだ部分の瓦となります。
瓦の葺き替えとは既存屋根をすべて撤去し新たな瓦に張り替えることです。屋根の全面リフォームになるため、屋根材だけでなく下地も交換することになります。

一方、その前年の2019年と言えば、超大型台風が9月7日から8日にかけて小笠原近海から伊豆諸島付近を北上し、千葉市では最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測し、多くの地点で観測史上1位の記録を更新。それが令和元年台風第15号。さらにその被害の修繕もままならない翌月10月にも台風第19号による大被害を受けて、千葉県南部では多数の家屋の瓦が吹き飛び壊滅的な状況に陥りました。
あまりに被害家屋が多すぎて、そのほとんどがブルーシートでその場しのぎの雨漏り対策をせざるを得ない事態に。瓦業者は引っ張りだことなって、その後、1~2年ほどは業者の手配がまったくできない状況となりました。
尚、購入した空き家は雨漏りの被害状況からして最低でも2~3年は雨漏りを放置していたとみられ、台風15号もしくは19号による被害で瓦が損傷したものではありませんでしたが、この悪いタイミングで皮肉にも業者が見つからず、120万円の見積りをしてくれた業者も埼玉からきてくれた業者でした。
通常、大きな工事を依頼する際にはいくつかの業者に見積りをお願いして安価で安心して頼める業者を選ぶのが鉄則ですがそれもできません。それならばと一念発起して自分でDIYすることに。
そして『怪我の功名』とはまさにこのことでしょうか。
やってみたらあっけなく雨漏りは解消。実際の屋根とは写真が異なりますが、ずれていた瓦を正常な位置に戻し、さらに下の写真にある変性シリコンを原因個所と思われる瓦と瓦の隙間に注入するとピタッと雨漏りは止まりました。

結局費用はシリコン一本の500円だけ。そのあと半年ほどの間に何度も雨を経験し、雨漏りしないことを確認した上で天井もべニアできれいに加工、床も自分で修繕していまに至っています。修理から5年経ちますが、以来雨漏りは一度もありません。。
まさにこれこそが『空き家再生ドットコム』が目指す、『いかにお金をかけず、目の前にあるその空き家をどう再生しどう活用していくか』の実例です。普通の業者に頼んだら同じことはまずやってくれません。だって商売にならないから。
ですが『空き家再生ドットコム』にとって空き家の再生はあくまでも『手段』であって『目的』ではありません。
例えば、Aさんが勝浦に空き家(立地条件がいい代わりに天井から雨漏りしている部屋もあるため相場よりかなり安く売りにでている物件)を買って再生し飲食店を開業しようとしているケース。Aさんはお客さんの目に入る内装にはこだわりたいが、見えない部分についてはできるだけお金はかけたくないと思っています。そんなとき、もし屋根の修理がシリコン1本の材料費だけで済めば、『空き家再生ドットコム』からのご請求は出張費の5千円だけです。
120万円を屋根の修理(手段)に使わなくて済めば、Aさんはそれをそっくりそのまま飲食店開業後の運転資金に使えます。そしてそれがAさんの飲食店繁盛の結果(目的)につながればまさにそれこそが『空き家再生ドットコム』が目指す地域再生、地域活性化への貢献となりうれしい限りです。
一人でも多くの方の夢実現のお手伝いをしたく精進して参ります。
【備考】もし瓦が割れるなどして瓦の交換が必要になった場合には当社の専門外です。勝浦市内に優良な瓦業者がございますのでご紹介させていただきます。
次回更新は8月12日(火)の予定です。