■ 勝浦市松部の空き家リフォーム (後編) / 280万円で買える家 No.3 @松部

2025年11月18日 | 活動事例のご紹介

こんにちは。本日は勝浦市松部の空き家リフォーム紹介 (後編)です。

私が2020年6月に280万円で購入した空き家紹介の続編となりますが、実はこの空き家、私が契約書にサインする直前まで10組近くのお客様(見込客)が不動産屋さんに案内されて実際に現地まで出向き、建物の内見をしているんです。事前に物件情報(以下参照)を見る限りは値段も魅力的で買うかどうかを最終判断するために実物を見ていらっしゃいます。私自身は内見したその当日、即決で買うとお伝えしました。ですが・・・

そう、お気づきの通り、私よりも前に物件を内見した方々そのすべてのお客様が購入には至らなかったのです。だから私が買うことができました。

60坪の土地付き一戸建てだというのに 280万円の”超”格安物件 です。それでも買わない。その理由にこそ『空き家問題の本質』が隠れていると思っています。ここ最近ずっと、空き家問題の解決には『パラダイム転換』が必要だと訴え続けていますが、それは売主・買主双方に共通する問題だと思っています。

売主にしたら『こんなボロボロの家誰も買ってくれるはずがない』と、そもそも売る気がない。だから不動産市場にも出てこない。結果、誰にも存在を知られることなく建物の劣化が進み最終的には壊すしかなくなる。一方、売主がなんとか一歩を踏み出して売却を不動産会社に依頼しても時すでに遅し。買主からしたら『こんなボロボロの家住めないでしょ』となる。

例えばこの松部の物件。この家の前オーナーは家族と埼玉に住んでいた釣り好きの年配男性。趣味の釣りを楽しむために別荘としてこの家を買ったらしい。私がこの家を購入したときにはそのご主人が愛用していた釣り道具が山のように放置されていた。上の写真で畳の上に置かれているのはその一部。

私も釣りをする人間なので分かるが、このご主人は相当な筋金入りの釣りバカだったと思う。手作りのウキや手作りの仕掛けが大量に残されていた。これはもう釣りという趣味の領域を超えて漁師が使うレベルの仕掛けではないかと思うものもあった。家族そっちのけで釣りに没頭していた姿が頭に浮かぶ。

しかしそのご主人が他界。その後誰もこの家を使わずに放置される。そしていつしか雨漏りが始まるがそれも放置。ご主人がお一人で使っていた家なのだから必然の成り行きなのだろう。

たださすがにこのまま放置してもしょうがないと、前オーナー夫妻の義理の息子にあたる方が2020年になって売却を進める。ただもうその時には雨漏りもひどく、崩れかけたトイレ前天井の崩落を防ぐために木材の棒で天井を支えている始末。おかけでトイレのドアは20cmしか開かない。トイレが使用不能というだけでなく、頭が入らないので中がどうなっているかさえもわからない。そして『こんな家住めないでしょ。』となる。

一方、私自身は過去20年ほどに渡ってアパートの入居者退去後のリフォームに携わってきた背景がある。珍しい案件では入居者が『夜逃げ』して行方不明になった賃貸アパートのリフォームを担当したこともある。室内には物が放置されひどい状態。しかし経験上、直せない部屋はない。3日ほどの作業で何もなかったかのように次の入居者募集となる。そして新しく入った入居者は以前の入居者が『夜逃げ』した事実など知る由もない。何もなかったかのように時は進む。

現実はそうなのだが、廃墟のような家を内見してしてしまうと買う気は失せてしまう。それは致し方ないがなんとももったいない。以下はこの物件のBefore After(Google Street View の2018年と2023年の画像比較)だが、もし今この家を500万で売り出したら一瞬で売れてしまうだろう。

280万円でも誰も買わなかった空き家。それを50万円ほどかけてリフォームして今に至る。人間というのは本当に第一印象に左右されてしまう生き物である。第一印象がひどいとそれが280万円であっても誰も見向きもしないのだ。

一方、リフォーム後に家に遊びにきてくれた友達にこの家いくらだと思う?と聞くと、例外なく『1千万より上か下か』という議論になる。現実はそんなものだ。空き家を正しく評価するにはパラダイム転換が必要だ。そこでもう一つ例をあげる。

スーパーでキノコを買う際に『これはもしかして毒キノコかも知れない。食べても大丈夫だろうか』と疑う人は世の中にどれほどいるだろうか。そんな人はまずいないだろう。スーパーで毒キノコが売っているはずがないというのは万人が理解している。一方、山を散策してキノコを見つけたら普通の人なら食べても大丈夫か疑うと思う。それが普通なのだ。食べても大丈夫かを疑うのは人間の本能。そして、この家には住めないと第一印象で拒絶してしまうのも人間の本能なのだと思う。

ではどうすればいいのか。これは空き家問題を解決するための永遠のテーマかもしれない。ただ放っておくわけにもいかない。

日本には『百聞は一見にしかず』ということわざがある。『何度も話を聞くより一度自分で見た方が良くわかる』という意味のことわざだ。ただ、空き家の購入・再利用に関してはこのことわざはほとんど通用しないことに気がついた。特に劣化が激しい物件に関しては実際に見ても何も解決しないのだ。そこで新たな提案 !

『百聞は一住にしかず』と。つまり・・・『何度も話を聞くより一度自分で住んでみた方が良くわかる』ということだ。空き家をいきなり買うのではなく、まずいったん賃貸物件として住んでみて問題なかったら買うというのはどうだろうか。もちろん、最低限のリフォームをして第一印象でも問題ないレベルまで回復した物件としてご案内する。

世の中には『定年後に念願の地方移住をしてみたが、理想と現実の違いで人生設計が狂った』みたいな話がネット上にもあふれている。それを回避するにはどうしたらいいか。その解決策の一つとして一石を投じたいと思うがそう簡単にはいかないだろう。ただ『千里の道も一歩から』。まずは一歩を踏み出さないとなにも始まらない。

少し文章が長くなってしまい続きは次回にしたいと思います。次回更新は11月25日火曜日の予定です。

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