
7月18日土曜日。千葉県鴨川市の某ホテルのロビーで昔からの知人とお話する機会がありました。千葉市で50年以上に渡り不動産会社を営む2代目経営者の方です。東京の不動産価格高騰の話はこのブログでも過去に何度も取り上げていますが、それは東京に限ったことではなく、千葉市でも起きていることを痛感しました。
その方いわく「もう怖くて土地が買えない!」とのことでした。以前は坪単価数十万円で取引されていたような店舗近くの土地が今は坪220万円で売りに出されていて完全にバブルの状況だそうです。
それと同調するかのように「不動産売却シミュレーション」といった広告がネットにあふれ「不動産を売るなら今!」と煽っています。私が最近見たネット広告の動画では、地元、勝浦市内に住む夫婦へのインタビュー形式で、

結局、家は売却してその売却益で駅近の物件を新規購入したような話でした。皆さんもそのような広告を一度は見たことがあるのではないでしょうか。
表面だけ見れば、3,500万円で買った家が7,000万円で売れて、3,500万円得して大儲け!みたいですが本当にそうでしょうか?
注目すべきポイントは、駅近の物件はいったいいくらで買ったのでしょうか。動画はその点には一切触れていません。駅から遠い物件が7,000万円で売れるなら、駅近という条件のいい物件は9,000万円してもおかしくありません。
「不動産売却シミュレーション」を勧めるサイトの多くが "今が不動産価格のピーク" で売るなら今!と煽っています。つまり、これからは不動産価格がいつ下がってもおかしくありませんと自ら認めています。その想定が正しいのであれば、
確かに"売り時は今"かも知れませんが"買い時は今ではない"ということです。
3,500万円儲けたと喜んだのも束の間、住み替えた家の価格がそう遠くない将来に暴落して逆に数千万円損することも十分あり得ます。
ここで冒頭でご紹介した知人の話に戻りますが「今は怖くて買えない。」それが結論なのだと思います。「今売ること」はあえて否定はしませんが、売ってどうするのですか?アパートに引っ越しますか?いえいえ、持ち家に住んでいた方がそのような選択肢を選ぶとは思えません。
仮に、今売ることは思いとどまり、10年後まで現状維持を選択したら、下の3パターンのどの場合でもあなたは勝ち組です。どのケースでも買値の3,500万円からは上昇していて含み益をもたらします。
いやいや「Cのパターンの場合2,000万円損したじゃないか」と思いますか?
はい、そのご指摘はかなり限定された条件下でのみ正しいです。7,000万円で売ってその後アパート暮らしを10年続け、相場が5,000万円に下がった時点で物件を買い戻したケースです。果たしてそんな芸当が可能でしょうか。仮にアパートの家賃が10万円だとして、1年間120万円。10年だと1,200万円かかります。もしそんな綱渡りのような芸当が実現できても残る利益はわずかです。
現実的には7,000万円で自宅の売却に成功したら、売却益に一喜一憂し、9,000万円の駅近物件をためらいなく購入するパターンが大半かと思います。しかし、Cのパターンが現実になった場合、駅近の物件の下落率はさらに高いはずで、9,000万円の物件は6,000万円くらいまで下落するでしょう。
一方、支払いはと言うと、3,500万円で買った物件のローン残高が1,400万円でしたね。それが7,000万円で売れたことで1,400万円のローンを完済すると手元には5,600万円が残ります。その資金を元手に9,000万円の物件購入の頭金にすべて注ぎ込んでも、差し引き3,400万円の住宅ローンが発生します。
(正確に言えば、家を売却して利益が出た場合には、不動産譲渡所得税が発生し約20%が税金として徴収されますのでこのケースでは700万円ほどの納税義務が発生しますが、それは今回は計算に含めておりません。)
ここで、例えば三菱UFJ銀行の2026年7月の新規ローン申し込みの場合の10年固定金利は3.35%となっています。この金利で3,400万円のローンを25年返済で組んだ場合、月々の返済は167,489円となります。25年間で支払う利息総額は1,625万円です。利息だけでですよ。10年頑張ってローンを払っても、10年後にまだ2,300万円のローンが残っている計算です。700万円の税金と合算すれば3,000万円の負債です。仮に10年後に家が6,000万円で売却できても手元に残るのは3,000万円です。
一方、家の買い替えをせず、3,500万で買った持ち家を持ち続けた場合のローン残高は1,400万円でしたので、コツコツローン返済を続けると月々12万円程度の返済で10年後にはローン完済です。晴れて住宅ローンから解放され、Cパターンのように2,000万円資産価値が下落した場合でも、資産5,000万円の持ち家のオーナーです。
ただ将来のことは誰にも分かりません。この不動産バブルがいつまで続きますでしょうか。ネット広告に踊らされることなく、冷静なご判断を致されることを願ってやみません。
さて、一方の勝浦はと言うと、私が知る限り不動産バブルは一切起きていません。土地の価格も横ばいです。一部、不動産バブルに便乗した価格設定で売りに出ている物件も見かけることはありますがいずれ淘汰されると思っています。空き家があふれているので、あえて高額な物件を買う必要もないのです。
勝浦の空き家は今もお買い得ですよ~。
尚、これは余談ですが、なぜか先週、昨年11月の以下ブログ投稿へのアクセスが急増しました。激安物件へのご関心が増えているのかも知れません。
■ 勝浦市松部の空き家リフォーム (前編) / 280万円で買える家 No.3 @松部
次回更新は7月28日火曜日の予定です。